レーザーマーキングラベル開発プロジェクト ”超・ケミカル”のアプローチで製品化への突破口を見出す

チームへの信頼、チームからの期待

工藤は問題解決のために3つの方法を考えた。フィルムの原材料を変えること、製造条件を変えること、そして塗工基材を変えることだ。しかし今回は既にお客様から原材料と製造条件に関する承認をもらっていたため、変えられるのは塗工基材の一択であった。そこで、塗工基材メーカーと協力して検討を進めることとした。工藤はいくつもの処方や製造条件を考え、メーカーや製造現場に協力してもらい何度も試作を重ねた。先輩の塩見恭子は「通常、試作の準備から立会いまでは2~3日かかるもの。何度も試作しておりかなり労力を割いたと思いますが、工藤君の頑張りは目を見張るものがあった」と言う。数ヶ月間の試行錯誤の末、ようやく安定して製造できる塗工基材を選定することができた。工藤はグループリーダーである林智博から引継ぎの話を聞いたときのことを、こう振り返る。「あのときは耳を疑いましたね。不安しかありませんでしたが、チームの皆さんから『大丈夫だ!』という力強い言葉をかけて頂きました。」一方、林は言う。「チーム皆でフォローしますし、大丈夫だと思っていました。なにより、彼ならできるという期待がありました」工藤は周りの方の力を借りて、2年目にして見事その期待に応えることができた。

企業の研究者としての成長

工藤はプロジェクトを通して、社会人としてだけではなく“企業の研究者”として成長できたと語る。「打ち合わせを何度か経験するうちに、社外に開示しても良い情報と秘密情報の線引きを学びました。また、社外の方と話をするときは自分が会社の代表になるので、自分の言葉に責任が伴うということを実感しました。」そう語る工藤の顔つきを見て、林は「責任感を持ち、自信もついた」と評価する。日本カーバイド工業には「少数精鋭の環境で、若いうちから裁量の大きい仕事ができる」という社風がある。若手社員は裁量の大きい仕事に試行錯誤しながらチャレンジすることによって、とても速いスピードで成長していく。社内を見渡すと、若手社員が活躍している様子がよく分かる。皆、いち早くプロフェショナルになることを目指して日々仕事に打ち込んでいるのだ。工藤は本プロジェクトに参加したからこそ得られた貴重な経験を糧に、今後も成長し続けていくだろう。

新製品開発という夢に向かって

ロゴ入りレーザーマーキングラベルは無事量産化できて一安心だが、「まだまだやるべきことは沢山ある」と気を引き締める。例えば、レーザーマーキングラベルの表面が摩耗により削れてしまうとQRコードの読み取りが困難になることがあり、摩耗の激しい環境下でも使用できるよう耐摩耗性の向上が望まれている。一方でセキュリティ性の観点より脆さも求められるため、これらを両立することが課題となる。さらに高品質なものを求めて、チームの挑戦はまだまだ続く。工藤自身は「今回は量産化する段階でプロジェクトに参加したので、今後は新製品の設計から担当したい。今回のプロジェクトで得られた主体性と周りを巻き込む力を活かして、会社にも社会にも貢献できるものを造りたいです。」と将来の夢を語る。2016年11月に日本カーバイド工業の“頭脳”とも言える新研究所開発センターが完成した。以前は4ヵ所に分散していた研究開発部門が1ヵ所に集約することにより、部署を超えたシナジー効果が期待できる。工藤の新製品開発という夢が実現する日も遠くはない。

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