レーザーマーキングラベル開発プロジェクト ”超・ケミカル”のアプローチで製品化への突破口を見出す

同期との会話で見つけた突破口

耐久性の課題は化学的アプローチで解消できた。しかし、実際に工場で試作してみるとうまくフィルム状に製膜することができなかった。仲田は材料の配合を何度も試みたが結果は思わしくなく、迫ってくる開発の期限のプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。そんなある時、仲田は同期の仲間との飲み会で話をしていた時、彼が別のフィルム製品の製造で、ある改良を試みていることを知り、「これは応用できるかもしれない」と直感した。リーダーの京田にこのアイデアを相談すると、「可能性はある。一度トライしてみよう」という返事。さっそく製造工程を変えてみると明らかに物性の改善を示すデータが得られた。「これはいけるぞ」仲田は目の前にぱっと道が開けるのを感じた。これを突破口に仲田は再び耐久性の改善に取り組む。溶剤の種類や配合を変え、お客様が望む製品のスペックに少しずつ近づけていった。

納期と品質のせめぎ合い

リーダーの京田は言う。「化学屋はどうしても化学で何とか課題を乗り越えようとします。しかし化学だけではモノはつくれません。時には物理や機械など異なる視点で物事を見ることも大切。だから若い人たちには化学以外の領域も含めていろんな勉強をしろと言っています」。「白」の開発は最終段階を迎え、京田からは納期厳守の指示が飛んだ。一方、サンプルができるたびに先輩の中尾聡一に意見を尋ねると「ふーん、これでいいの?」と首をひねった。中尾は言う。「まだ用途も明確でない段階でしたから、どこまで耐久性を求めるかはこちらの判断で提案しなければいけない。競合他社を上回る品質を確保することも大事です」。納期と品質のせめぎ合いが続く中、仲田は「最初は自分も完成度にこだわっていましたが、ある時、ニーズは社内ではなくお客様のところにあると気づきました。だからこまめにお客様のところに足を運んでニーズを確認しながら製品化への道を探りました」連日連夜現場に通い詰め、試作と改善を繰り返し、ようやく数カ月後、お客様のGOサインが出た。

市場の確立、用途拡大を急ぐ

「白」の開発はいったんひとつの区切りをつけ、今後は具体的な案件ベースで完成度を追求していく。今後の展望について京田は「まずは自動車メーカーを中心に既存の色のニーズに応えることが先決。白のニーズについてはこれまで顕在化していませんでしたが、今後パソコンや家電などへの応用が可能で、さらなる市場拡大が期待できます」。実際に営業グループとの連携により、徐々に引き合いが増えているという。黒はクルマ用、黄・赤は「注意」のイメージ、シルバーは銘板イメージ、白は家電など電機関係をイメージし、市場の開拓を進めていく。黒・赤・黄・シルバー・白に続く6色目の開発については「いったんラインナップはこれで固定し、お客様の要望があれば、カスタムメイドで対応していきます」(京田)。「まだまだ用途は広がります。もっともっと世の中にレーザーマーキングラベルの存在を知っていただきたい」(仲田)。チームの挑戦はまだまだ続く。

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